この事例の依頼主:40代 女性
相談前の状況
B子さんは、5年ほど前から夫からの暴力と暴言に悩み、一度警察に相談をしていましたが、夫も普段は優しく、子供も懐いていたので、家を出て離婚をする決意はありませんでした。
しかし、今回夫から顔を殴られ、目が腫れてしまい、夫が止めに入った子供にも暴力を振るったことから、家を飛び出して離婚をする決心がつき、警察を通じて行政の保護施設に入所し、そこで弁護士である私に相談をしてきました。
解決への流れ
まず、B子さんは、【配偶者暴力等に関する保護命令(DV保護命令)】の申立てを裁判所に行い、夫はB子さんや子供達への接近を禁止されました。
その後、B子さんは、弁護士である私を通じて、夫と離婚の条件を話し合い、夫から暴力の慰謝料200万円と子供の養育費として月6万円を受け取ることで合意をしました。
森本 裕己 弁護士からのコメント
本件は、夫からの暴力に耐えていた女性が、意を決して家を飛び出し、行政の施設に保護されながら離婚をして、夫から慰謝料の支払いを受けたケースでした。
このような場合、配偶者(特に夫)からの暴力が原因が離婚をしたい方は、まずは何よりも自分と子供の身の安全を確保することを最優先しましょう。
警察の生活安全課や自治体の配偶者からの暴力に関する相談窓口に必ず相談し、身の安全を確保した上で弁護士に相談することを強くお勧めしています。
今回のB子さんのケースでは、夫からの暴力を示す証拠(怪我の写真と診断書)がしっかり確保されていたことが功を奏し、夫から慰謝料を支払ってもらえました。
仮に、調停や裁判でも同じ結果になっていたと思います。
また、B子さんは夫から養育費の支払いを受けられるか心配をしていましたが、私が夫と交渉した結果、夫も子供への養育費についてはしっかり支払うことを約束してくれました。
DVの問題は難しい判断が必要であり、離婚を問題を扱う弁護士の中でも経験を必要とするものですが、私は様々なケースを扱ってきていますので、まずは身の安全を確保した上で、ご相談下さい。