この事例の依頼主:60代 男性
相談前の状況
相談者(次男と三男)の父は、【遺言書を残さず急死】してしまいました。
亡き父の遺産は、数年前に売った不動産の売却代金の残りとして、預貯金が1800万ほどでした。
しかし、亡き父は不動産の売却代金のうち、900万ほど【長男にだけ生前贈与】をしていたことが発覚しました。
ところが、長男は、今回父が残した1800万円を三等分して、それぞれ600万円ずつ分割しようと提案をしてきました。
そこで、長男が生前贈与で900万円を取得していたことを知った次男と三男は、私のところに相談にきました。
解決への流れ
長男が父から生前贈与された900万円は、長男が自宅不動産を購入するための資金でした。
かかる生前贈与は、法律上【特別受益】に該当し、遺産分割の話合いに影響があることが判明しました。
900万円を【特別受益として計算】すると、父が亡くなっていた時に残っていた1800万円に900万円を足した2700万円が基準となり、その金額の3分の1である900万円が3兄弟それぞれの持分となりました。
そこで、既に生前贈与で900万円をもらっていた長男は、今回一切遺産の分け前はなく、次男と三男の2人で1800万円を900万円ずつ分けるということになりました。
その結果、相談前には、それぞれが600万円ずつしかもらえないと思っていた次男と三男が、900万円ずつもらえることになり、大変喜んでいました。
森本 裕己 弁護士からのコメント
今回のケースのように、亡くなった方が生前に特定の相続人(今回のケースでは長男)にだけ、財産の一部を贈与しているケースというのは、とても多いと思われます。
いわゆる【生前贈与】というのは、その存在が亡くなった後に判明するケースもありますが、亡くなる前から相続人の中でわかっている場合もあります。
【生前贈与】があり、それが法律上【特別受益】に該当する場合には、遺産を分ける際の計算式が変わってくるので、【生前贈与がある場合は特に注意が必要】です。
そのような場合には、弁護士に相談することで、あなたの取り分が大きく増える場合もございますので、お気軽にお問い合わせください。
また、今回は遺言書がなかったケースですが、【遺言書があって遺留分が侵害】されているケースであっても、生前贈与がある場合は、【遺留分の金額】も変わってきますので、今回の次男や三男のようにもらえる金額が増えることになります。
したがいまして、遺産分割をする際に、特定の相続人にだけ生前贈与があるケースは、各相続人の最終的な取り分が変わるケースがありますので、【生前贈与の存在がわかった場合】【特定の相続人に対する生前贈与が疑われる場合】は、相続に関する専門家である弁護士に相談することをおススメいたします。
私の場合は、初回のご相談は、【時間無制限】【無料】で対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。